金銭債権信託

様々な金銭債権を流動化・証券化することで、資金調達ニーズと資金運用ニーズを結びつける

貸付債権、リース債権、割賦債権、売掛債権、譲渡代金債権、立替金支払請求権、不動産敷金返還請求権など様々な金銭債権を対象とした信託サービスです。

本来、金銭債権の信託とは金銭債権の管理処分を目的にした信託でした。しかし、近年は金銭債権を持つ企業の資金調達ニーズと投資家の資金運用ニーズを結びつける手法として、金銭債権の信託を利用した流動化の手法が活用されるようになってきました。委託者である企業は、信託会社を通じて信託受益権を投資家に譲渡することにより、資金を早期に回収することが可能になります。また流動化のスキームによっては資産のオフバランス化により財務内容の改善を実現することも可能です。

金銭債権信託サービスのニーズとメリット

資金調達メリット

流動化・証券化により戦略的自由度の高い資金調達を実現します。

低コストでの資金調達の可能性

企業自らの信用力ではなく、保有する資産の信用力に基づき資金調達を行う方法であるため、資産の信用力が企業自体の信用力よりも高い場合には、銀行借入等による資金調達方法よりもレート面等において有利な資金調達ができる可能性があります。

より大量の資金調達の可能性

企業自らの信用力でなく、保有する資産の信用力に基づき資金調達を行う方法であるため、金融機関のクレジット枠に依存しない直接金融による資金調達ができる可能性があります。

オフバランス効果による財務メリット

流動化・証券化のスキームによっては、財務内容の改善(バランスシートの圧縮、BISリスクアセットの削減、財務指標(自己資本比率、負債比率等)の改善)などをもたらす可能性があります。

スキーム図

取組事例

一般事業会社様の受託事例

事業会社が保有する売掛債権を活用した長期資金調達

受託時期 2006年9月
信託の種類 売掛債権信託
オリジネーター/サービサー 臨床検査受託業者
裏付債権 売掛債権(臨床検査代金および医療用商品販売代金)
発行総額(優先部分) 926百万
予定配当 固定
最終償還期限 2011年8月
格付 Moody's Aa2
投資家 機関投資家
信託受益権販売業者 証券会社
バックアップサービサー リース株式会社
スキーム概要
  • 優先劣後構造とキャッシュリザーブによる信託補完スキーム
  • 短期売掛債権の将来債権までの信託譲渡をすることで、短期債権を裏づけに3年の資金調達を実施

資金運用メリット

流動化・証券化された商品でより柔軟な投資ポートフォリオを実現します。

企業の信用力でなく資産の信用力に依拠した投資が可能に

裏付資産の信用力(資産の特徴、債務者や債権の分散度、債務者の信用力、オリジネーターの管理能力等)に依拠した投資が可能になります。企業の信用力に依存したリスクカテゴリーとは別に、アセットを積み上げることができるようになることで、より多様化したポートフォリオを実現することができます。

リスク・リターンの選好に応じた投資が可能に

信用保管措置や流動性保管措置などによって柔軟なストラクチャーを構成することができます。これによって、リスクリターンの狙いに応じた投資対象を作り出すことが可能になります。

スキーム図

取組事例

証券化を前提とした金融商品のオリジネート及び受託事例

金融機関をオリジネーターとした本邦初のCLO

受託時期 2006年9月
信託の種類 貸付債権信託(CLO)
オリジネーター 貸金業者
裏付債権 複数税理士事務所の顧問先向け貸出債権
発行総額 720百万
予定配当 変動
最終償還期限 2014年3月
格付 無し
投資家 機関投資家
信託受益権販売業者 証券会社
サービサー サービサー株式会社
スキーム概要
  • CLOによる証券化プログラムを前提とした中小企業向け貸出債権の証券化スキーム
  • 税理士事務所との提携商品で、期中の債務者モニタリングを顧問税理士が行うことで、信託財産の業務変化を定期的に把握するスキーム

財産管理メリット

金銭債権管理にともなう事務負担を大きく削減します。

金銭債権の管理に関する事務のアウトソーシング

金銭債権の管理は、債権数や債務者数などにもよりますが、取組・回収などに膨大な事務体力を必要とします。近年は、オリジネーターが全てを負担していた債権の管理・回収業務の一部を管理回収業者に委託し負担を削減するケースが増えてきています。

当社では、豊富なネットワークにより、最適な回収管理事務のパートナーやシステムをご紹介するとともに、お客様とご一緒に最適な分業体制を構築するお手伝いをいたします。

オリジネーター業務のアウトソーシング

流動化・証券化のストラクチャーでは、オリジネーター(原資産所有者)がサービサーを委託されるケースが一般的です。このため、流動化・証券化の実施後には、自社を債権者とした通常の債権の管理に加えて、受託者を債権者とした債権の管理委託業務が発生し、事務と財務の双方に大きな負担をかけることになります。

このようなオリジネーター固有の事務のアウトソーシングについても、専門的なノウハウを活用してご相談に応じさせていただきます。