10.新信託法及び信託業法、金融商品取引法との関わり

新信託法・信託業法(以下、信託関連法)と同時に施行された金融商品取引法により、信託受益権が有価証券とされたことから、信託関連法と金融商品取引法とは、従来以上に密接に関係することとなりました。

1.信託受益権が有価証券とみなされます

これまで信託受益権は、一部の例外を除き、旧証券取引法上の有価証券という位置づけではありませんでしたが、今般施行された金融商品取引法により、同法上の有価証券とみなされることとなりました。

2.信託受益権販売業者の金融商品取引法上の位置づけ

信託受益権が有価証券とみなされることにより、信託受益権販売業者が行う信託受益権の販売またはその代理もしくは媒介は、有価証券の売買またはその代理もしくは媒介と位置づけられることになります。このことから、信託受益権販売業は、全て金融商品取引法の規制対象である金融商品取引業として取り扱われることになり、第二種金融商品取引業としての登録が必要になります。

3.信託会社の金融商品取引法上の位置づけ

(1)信託会社のみなし金融商品取引業者化

信託会社(管理型信託を除く)、外国信託会社(管理型外国信託会社を除く)、信託業法により登録を受けた自己信託会社(以下、「信託会社等」という)は、金融商品取引業の登録を受けずに信託受益権の売買又はその代理若しくは媒介を業として行うことができます。

(2)信託会社等の行う信託受益権売買等業務に金融商品取引法の行為準則が適用

この場合、当該信託会社等を金融商品取引業者とみなして金融商品取引法における金融商品取引業者の行為準則等が適用されます。

(3)信託会社等の行う信託勘定における運用は金融商品取引業の適用を受けない

他人から出資等を受けた金銭等の運用を行うにあたっては、原則として、金融商品取引法上における投資運用業の登録を受けなければ行えませんが、信託会社等が行う信託勘定における運用については、金融商品取引法上の登録を受けなくても行うことができます。

(4)特定信託契約の引受における金融商品取引法の準用

信託会社等が行う信託の引受けについては、信託業法において規制の対象とされていることから、重ねて、金融商品取引法の規制対象とはされていません。ただし、信託会社が特定信託契約(注)により、引受けを行う場合においては、規制の横断化を図る観点から、金融商品取引法の行為規制を一部準用することにより、規制の同等性を確保することとしています。

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